
オルソケラトロジーとは、レーシック(レーザーで角膜を照射し削る治療)と並び、裸眼での視力回復するための治療法のひとつです。レーシックとは異なり非侵襲的な方法で、 「夜寝るときに酸素透過性の高い特殊な形状のレンズを装着し、寝ている間に角膜の形を矯正し、朝レンズをはずした後も日中は裸眼で生活できるほどの視力をだすコンタクトレンズ」 のことです。名前の由来は、ギリシア語の「ortho(矯正)」、「kerato(角膜)」、「logy(学問・療法)」という言葉を組み合わせたもので、「ortho-keratology(角膜矯正療法)」という意味となります。
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最近よく聞かれるレーシックは、外科的に角膜を削るため、一瞬にして劇的なまでの視力回復が可能で、そのためテレビや雑誌ではよく取り上げられます。一方、オルソケラトロジーでは、手術を一切行わず、徐々に裸眼の視力を回復します。
コンタクトレンズのような、角膜に装着する特殊なレンズを用いて、そのレンズの吸着力で少しずつ角膜を矯正していくため、レーシックのような劇的な変化は望めませんが、安全性が高く、角膜の変化を見ながら微調整ができるなど、安心して治療を続けることができます。また、レンズ装着を中止すると、元の角膜にもどります。感覚としては、歯列矯正の眼科版と捉えると分かりやすいでしょう。
また、レーシックは角膜形状に問題のある方(たとえば円錐角膜など)、年齢的にも20歳以下の方などは手術適応外となります。そのような方々にもオルソケラトロジーによる視力回復が可能な場合があります。屈折矯正のもう一つの選択肢として選ばれる場合もあります。
オルソケラトロジーは、歴史のある治療法ですが、残念ながら日本での認知度はまだまだ低いのが現状です。現行のオルソケラトロジーは、今から45年前の1960年、アメリカで生まれました。コンタクトレンズを装着すると、外したときに角膜の形状に変化が起きることを発見した眼科医が、これを裸眼視力の矯正に応用できないかと研究したのが始まりです。1960年代の前半には、多くの眼科医たちがこの研究に参加したため、オルソケラトロジーは飛躍的に進歩しました。1962年までに、120万人がオルソケラトロジーによる治療を受けたと言われています。 日本では、1955年から65年までの10年間、独自に研究と治療が行われましたが、こちらは効果が薄かったため、次第に忘れ去られてしまいました。
一方、アメリカではさらに研究が進み、1989年、ついに現在のオルソケラトロジーに近い、非常に治療効果の高いレンズが設計されるに至りました。
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現在、オルソケラトロジーは、レンズ装着時間が少なくても効果が得られるようになり、私たちは生活の中のほんの一部、たとえば就寝時のみ装着するだけで、近視の程度によりますが、短期間で素晴らしい裸眼視力を得られるようになっています。
目に直接装着するレンズといえば、コンタクトレンズが代表的ですが、コンタクトレンズは、仕事や勉強で目を酷使する日中に装着するため、ドライアイの人は異物感を感じたり、目にゴミが入ったときの目の痛みなど不愉快な思いをする方も多いようです。
一方、オルソケラトロジーのレンズは、まったく逆に、就眠中に装着し、日中は裸眼で過ごせるため、ドライアイのような感覚や異物感を感じることは少なく日中を過ごせます。
ただ、治療を始めてからしばらくは、夕方くらいになると視力が徐々に矯正前の状態に戻ってしまうこともありますので、メガネなどの携帯が必要になることもあります。
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近視が進行している子供に対して、オルソケラトロジーを行うと、近視の進行を抑えられるばかりでなく、大人よりも高い視力矯正効果が得られます。子供の場合は角膜に柔軟性があるのか、また水晶体の調節能力にたけており、かなりの強い近視の子供たちでも視力が1.2程度まで回復することもよく見られます。そのため、アメリカや香港、韓国などでは、オルソケラトロジーを積極的にする親ごさんも多いようです。
日本でも、スポーツ(サッカー、バスケットボール、バレーボール、バレエなど)のときや、どうしても眼鏡が嫌で、コンタクトレンズも嫌だという子供さんには大変好評の治療法の一つです。
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日本では、レーシック(レーザーで角膜を削る治療)とオルソケラトロジーの両方を考えた場合、レーシックを選択する人が多いようです。しかし、どうしてもレーシックができない方、手術が絶対に嫌だったり怖い方、20歳以下の方、学童、そしてどうしてもコンタクトレンズが乾いたりしてだめで手術も嫌な方、何よりも裸眼で生活したい方、夜にコンタクトレンズをつけるというライフスタイルに合う方などに、オルソケラトロジーは適応といえるでしょう。
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当院にて採用しております、オルソケラトロジーレンズ:マイエメラルドは、 米国FDA・ヨーロッパCEマーク認可の長年世界各国で使用されておりますレンズになります。 日本国内でも2010年9月に厚生労働省で認可されました。 治療に当たっては、医師が患者様ときちんと話し合い、十分ご理解いただいたうえで治療を開始いたします。 細かい内容につきましては、ご遠慮なくお尋ねください。
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オルソケラトロジーでは、検査、テストを終えてから貴方専用のレンズを作成しますが、下記はそのレンズの価格になります。(価格には、1年間の検診費用、初期セットの費用が含まれています。)
レンズ + 初期セット | |
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両眼 | 173,800円(税込) |
片眼 | 86,900円(税込) |
※-5.25D以上の度数の方は1枚につき12,000円追加となります。
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